社長日記

急がば回れ!

「時間が無い!」から、「とりあえずやってしまおう」とか「今のままでいいんじゃないか」ということで
進めてしまうことが、ままあります。

というか、仕事においては特に、そういう事の方が多いかもしれません。
しかし、だいたいにおいて、「やっぱりしっかり考えてやれば良かった。」と反省する事になるのが常です。

今日のテーマは、「急がば回れ!」

最近、地方の観光を活性化するための情報発信について検討したい、という相談を受けて、地元の皆さんと
協議することが多いのですが、「自分たちの地域には食、自然、お祭り、文化と色々な観光資産があるので、
その多彩な魅力を発信しているのですが中々伝わらない。」という話しが良く出ます。

私たち「外モノ」から見ると、「色々ある」と言われるよりは「ウチはこれが最高!」というのがあった方が、
差別化できるし引きも強いと思うという意見を出すのですが、だいたいは「何かに要素を絞ってしまうとねぇ、
それ以外の関係者を説得しなくてはならない、これまでもそうしてきたし・・・。」という大人の事情を理由に、
「とりあえずこれまでのやり方を基本にして・・・」と、無難な結論に着地しそうになります。

そこで「そうですか。分かりました。」と、いう事を聞かず「でも、いままでのやり方でうまく行ってますか?
それで結果は出てますか?本当にそれで皆さんイイの?」と、しつこく食い下がるのが、私たちの仕事です。

周辺の地域も「お越しください、わが町へ!」と必死のアピール合戦を繰り広げている中で、結果も出ていない
これまでのやり方で勝負できるほど、世の中甘くはありません(笑)。

特に「観光」という点から考えると、「外からやって来る人」を意識することが重要です。
自分が旅行の行き先を検討する時の立場に立ってみれば当たり前のことなのですが、自分の地域の事となると
なかなかそういう意識になれないものです。

良く言われますが、「何でもある、は何もないのと同じ。」
あれも、これもあります、こんなのも・・・と、なんでもかんでも並べられてしまうと、どれが本当に良いのか
分からず、結局は魅力を感じてもらえない、つまり「選ばれない。」という事です。

「しっかり考える」のは時間も手間もかかりますが、アピールする自分たちが「良し!これで行ける!」と
納得するまで検討したものでなくては、人を引き付ける情報発信が出来るでしょうか?
やるなら今です!ちゃんと考えましょう!
というようなやり取りを経て、どうにかこうにか説得し、地元の皆さんが自信を持ってアピールできるものを
探してみましょう、という風に持って行くのです。

住んでいる人には「当たり前」の食事や風景が、外から来た人にとっては、とんでもないごちそうだったり、
見たこともない絶景だったりするのです。

ここ数年仕事で全国各地を訪問していますが、特長ある食や豊かな自然に触れる度に、いつも驚かされます。
本当に日本は凄い国だと思います。

獲れたての旬の海の幸が本当に美味しいこと、怖いくらいに星が見える夜空、自然の音しかしない空間・・・。
どれも東京ではいくらお金を払っても手に入れられない「プライスレス」な価値がそこにはあります。

このような地元の人たちが気付けない素晴らしさを再発見してもらうお手伝いも私たちの仕事のひとつです。
地域の魅力を掘り起し、磨き上げ、それを外から来る方にどう伝えるか?など地元の方々と一緒考える中で、
地域の皆さんも少しずつ意識が変わり「ウチも結構いいところだな!」と、その気になってくれると本当に
うれしく思います。

このように地域の皆さん自らが、自信を持って外にアピールできるモノを「しっかり考える」ことを通じて、
「この地域ならではの魅力」を絞り出し、外部にしっかり伝わる個性、すなわち「地域ブランディング」を
構築していくことにつながっていくと感じています。

このような経験を何度も重ねて、最近思うのは、「急がば回れ、地域ブランディング。」
「しっかり考える。」って大事なんです。ホントに。

今日はこの辺で。