そこに山と滝があるから

TJAR最後の山小屋へ

TJAR(Trans Japan Alps Race)とは、日本海(富山)から太平洋(静岡)までの415kmを、

北アルプスから中央アルプス、更には南アルプスを縦走して、8日間以内に踏破しなければならない

という日本一過酷なトレイルレースです。

累積標高差は27000mほどにもなるそうで、レース中は交通機関を使用することは禁止、また山小屋

への宿泊も禁止されているというものです。

2002年から始まり、隔年の継続開催にて過去8回実施されてきました。

2010年以降は望月将悟さんが4連覇していて、昨年の2016年大会ではなんと5日の壁を切るという、

凄まじい記録を打ち立てたのです。

 

今回はその望月将悟さんの出生地である井川、そしてTJARの最後のトレイルルートである畑薙~茶臼を歩き、

その途中にある最後の山小屋「横窪沢小屋」を訪ねてみました。

沼平のゲートからスタートです。

聖沢・椹島へ通じる畑薙湖沿いの林道を40分ほど歩くと「畑薙大吊橋」。

吊橋を渡るといきなり急坂。 40分ほど登ると「ヤレヤレ峠」。

ヤレヤレ峠からの急坂を下降すると上河内沢。

上河内沢には4つの吊橋があり、

その先は急登に次ぐ急登です。

ヤレヤレ峠から1時間ほどで、無人の避難小屋「ウソッコ沢小屋」に到着。

小屋の先にまた吊橋があり、その脇には10mほどの滝がありました。

ウソッコ沢小屋から急坂を50分ほど登り詰めると「中の段」。 一休みです。

更に50分ほど急坂を登り詰めると「横窪峠」に到着。 重量装備を背負っているので、へとへとです・・

今回の目的地「横窪沢小屋」に到着です。

開けた空を眺めつつ、再び小休止です。

小屋番の木村さんに、帰りに滞在させていたく旨を約束して出発します。

その先もひたすら急坂。

森林限界の接近を感じます。

ヤマリンドウ。

イワオトギリかな?

茶臼小屋に到着。

テントを幕営し、手ぶらになったところで茶臼岳の山頂へ。

小屋から15分ほど上がると稜線の縦走路分岐。 強風が吹いていて寒い・・

茶臼岳山頂に到着です。

北側ビュー。 手前が上河内岳、真ん中奥が聖岳、右側に赤石岳と荒川岳、左側に兎岳。

南側は光(てかり)岳です。

小屋に戻ります。 戻る途中で山頂を振り返る。

 

翌朝。 風は穏やかです。

茶臼小屋から東の空。 真ん中には富士山。 出発です。

稜線に出ました。 北西には中央アルプス。 その先に御嶽山が陽光を浴びて光っています。

上河内岳を目指し稜線を進みます。

亀甲状土の草原。 正面に上河内岳のピークです。

草原は終わり、再び森林限界へ。

取りつきました。

上河内岳の山頂に到着。

目の前に聖。 そして赤石、荒川三山。

東に富士。

聖に向け縦走路を更に進みます。

気持ちのよい世界です。

ナナカマド。

マツムシソウのお花畑。

イワオトギリのお花畑。

聖が巨大な姿になってきました。

崩壊は進行中です。

聖平への分岐に到着。

振り返るとここまで歩いてきた稜線。 手前が上河内、奥に茶臼。

聖平小屋に立ち寄りました。 ここから聖岳山頂ピストンは5時間。

聖岳に登ると横窪沢小屋へは戻れなくなってしまいますので、今回はここまで。

上河内へ向け登り返しです。

太陽が頭上まで上がりましたので、富士がきれいに見えるようになりました。

そして気温が上がり、雲が湧きだしました。

茶臼手前のハイマツの中にライチョウが! ヒナを呼ぶ鳴き方でキョロキョロしています。

そして茶臼小屋にデポしておいた装備を回収したら横窪沢小屋へ。

横窪沢小屋に戻りました。

夕食後、木村さんはテン泊である私まで食堂へ迎え入れてくれて、TJARの事をエピソードなど含め

いっぱい話してくれました。

また選手の皆さんから頂いた貴重な品々を見せてくれました。

本当に楽しいひと時でした。 木村さん、ありがとうございます。

そして、そんな楽しいひと時を共にできました登山ガイドの唐橋さん、また会える日を楽しみにしております。

こちらは山小屋の2階に展示されている選手の寄せ書きです。 さすが最後の山小屋です。

ここまで走り抜いて来た選手の皆さんの想いは、痺れるほど熱いものがありました。

 

以上で終了です。

最後にこちらは畑薙の白樺荘に展示されているTJARのコーナーです。

望月将悟さんは、ここ井川のヒーローなんだということを肌で感じる瞬間です。

 

今回の旅のテーマはTJARでした。

茶臼で知り合った女性もテーマはTJARで、南アルプスのトレイルコースを入口(仙丈ヶ岳)から辿って来て、

そして出口である茶臼までやって来たと言ってました。

来年は2018年大会があります。

8月のレース時期に時間が空きそうであれば、私は横窪沢小屋でTJARを応援したいと、そんな決意が

生まれてしまいました。

その前に、来春の小屋開けで木村さんのお手伝いをしているのかもしれません・・(飲んだ時のプチ約束です)

いずれにせよ、「また来年」という事でお別れして来ましたので、何らかの形でお邪魔したいと思います。

 

では次なる山や谷を目指したいと思います。

引き続き行動あるのみです!