そこに山と滝があるから

横須賀の限界集落?

年に一度、横須賀で現場があります。

ここ10年ほどは毎年の恒例行事であり、横須賀に2~3日は滞在します。

その現場であるJR横須賀駅から裏山を見上げると、山の上にはたくさん住宅があり、その住宅に

向け急な階段が伸びているのが見えます。

しかし、その住宅の周囲に車の姿を見かけたことはありません。

「いったいこの山の上はどうなっているのか?」という疑問が浮かぶのですが、現場が終わって

東京に戻るとその疑問を忘れてしまいます。

今年もその時期がやって来て、現地に入った途端に疑問が再燃しましたので、疑問解消のために住宅へ

向かう階段を上がってみました。

 

 

京急の逸見駅に到着。 ホームから見上げると山の上に複数の住宅。

駅で地図を確認。 「東逸見町一丁目」辺りがその地域のようです。

地図を見る限りは、逸見駅の横から入って横須賀駅まで裏山縦走ができそうです。

 

ということで、逸見駅横の階段を登ってみました。

中腹では山が崩れないように斜面をコンクリートで固める作業中。

自転車すら受け付けないバリアだらけの上り坂です。

車が入れないのに、この住宅たちをどうやって建てたのだろうか?

先に進みます。

 

やがて人が歩いていない道に・・

 

そんな道の先にはまた住宅街が出現。

ライフラインはどうなっているのでしょう?

電柱はあり、マンホールもあるので、電気と水道は供給されている感じです。

 

庭先に居た方へ「階段が多くて大変ですね」などと話しかけてみました。

「大変だけど庭にはきれいな花が咲くのよ」と嬉しそうに返してくれました。

 

確かに車が入れないから騒音は少ないだろうし、自然の中で暮らしていけるのだから、私みたいに

山に登る事を苦にしない人間であれば、ここで暮らせるのは幸せなのかもしれません。

逸見駅側の裏山と、JR横須賀駅側の裏山の間は谷状になっていて、ここには車道がありました。

 

郵便を配達している方に会いました。 当然ですが徒歩であり、汗だくでした。

私が歩いてきた道は「うらが道」というらしいです。

眺望がありました。 JR横須賀駅の裏側です。 その先に海上自衛隊の護衛艦が見えます。

 

下降開始。 紫陽花がキレイです。

 

車道まで降りました。 そして振り返ると、毎年眺めていた住宅街の景色。

 

以上で終了です。

宅配は来るのだろうか? 新聞配達はどうだろう? ゴミの収集は? 家電を買った際の搬入方法は?

たぶんガスはプロパンだと思うが交換方法は? 引っ越し業者は快く請けてくれるのだろうか?

等々、今回歩いた結果、新たな疑問が浮上してしまいました。

横須賀といえば横浜のベッドタウンであり、US海軍と海上自衛隊のベースがあり、そして観光地

でもあります。

これまでその様な人口密集地に、限界集落的な地域があるとは知らずに生きてきました。

明治時代に軍港で働く方々が住むために整備されたとのことで、この地域の事を「谷戸地区」と呼び、

なんでも横須賀市には79の谷戸地区があるそうです。

住民の3割以上が65歳以上と高齢化が進んでいるらしく、空き屋が年々増えているそうです。

 

階段だらけで住むには不便な地区ではありますが、場所によっては庭先から見事な景色が望める

ことでしょう。

また高台に建つ家ですから、風通しがよく、夏でも涼しいのかもしれません。

今回はそんな山にある住宅街を歩いた旅でした。

では引き続き次なる山を目指したいと思います!